グノーシア 思ったこととキャラクター別感想(ネタバレあり)
皆さんはグノーシアというゲームをご存知だろうか。
2019年6月20日にPS Vitaで発売され、約8か月後の2020年4月30日にNintendo Switchに移植された「SF人狼系シミュレーションアドベンチャー」である。
発売当初から各方面より高い評価を得ていたソフトで、最近スイッチで発売されたため興味を抱き購入した。
人狼ゲーム自体全く知らないしやったこともなく、普段アドベンチャーゲームをほとんどしない私だが、そんな私でもこのゲームは
めちゃめちゃ面白かった
と思えるぐらい楽しいソフトだった。
この記事ではそんなグノーシアについて思ったこと、そしてキャラクター別感想を書いていこうと思う。考察やゲームの攻略などは書いてないのであしからず。また、ネタバレがあるので、プレイする予定がある人は見ないことを強くお勧めする。
概要
目的
このゲームの目的をざっくり説明すると、
とある宇宙船にグノーシアっていう危ない奴が潜んでる、議論を行いグノーシアをあぶりだしてコールドスリープしろ!
ということである。
プレイヤーはグノーシアを見つけるためにほかの登場人物と話し合う議論パートと
パラメーター上げやキャラとの交流、イベントが発生する移動パートの二つをこなす。
議論パートの最後に投票で乗員が一人コールドスリープされ、移動パートが終わった後に乗員の一人がグノーシアに物理的に消されることになる。
このサイクルを繰り返すことで、グノーシアを全員凍結出来たら人間側の勝利。
反対にグノーシアが乗員の半数以上になるとグノーシア側が勝利する。(というより人間とグノーシアの人数が同じになった時点でアウト)
このサイクルがゲーム中ではループと表されており、人間の勝利だろうが、グノーシアの勝利だろうが、結果が出ればまたループが始まり、議論と移動を繰り返すことになる。
次のループでは誰がどの役割を担っているのかは変化しているので、前のループでグノーシアだったから次もこの子だろう、みたいな推測はできない。(確率的には同じ人物が連続でグノーシアになることも多々あるが)
配役
グノーシアでは様々な配役を与えられ、それに準ずる形で議論が進められていく。
1 乗員
舞台の宇宙船の乗員でそれ以上でもそれ以下でもない。特殊な能力があるわけでも
ない一般人枠。ほかの役割からもたらされる情報をもとに、誰がグノーシアかあたり
をつけていく配役。
2 グノーシア
正式名称「グノーシア感染者」。異星体グノースという存在に感化されてしまった
人間のことで、人間を消したいという願望が頭の中に渦巻いているらしい。主人公を
除く全キャラにグノーシアverの顔グラが存在する。(何人か顔芸を披露している)
移動パートの後に、排除する人物を一人選ぶことになる。守護天使に守られた人物や
バグを排除することはできない。嘘をつけるため、自分をエンジニアやドクターだと
偽って本物をコールドスリープさせる立ち回りも可能。
3 エンジニア
移動パートの後に一人を選んで、その人物が人間かグノーシアかを調べることが
出来る配役。無条件でグノーシアを判別できるので、グノーシアにとっては邪魔な
存在で排除されやすい。後述するが、バグにとっては最大の天敵である。
4 ドクター
議論パートでコールドスリープされた人物が、人間かグノーシアかを調べる配役。
その情報から残っている乗員にグノーシアが何人いるのか分かるので、議論が進み、
凍結された人物がみんな人間だったら危ないと思ったほうがいいかもしれない。
5 留守番
宇宙船から一切出てないので、自分たちはグノーシアに感染していないと宣言できる
配役。必ず2人1組である。グノーシアやAC主義者、バグといった嘘をつける配役で
あっても自分は留守番であると偽ることはできない。なのでこの配役の人物は絶対に
人間である。
6 守護天使
移動パートの後、一人を選んでグノーシアの襲撃から守る配役。大抵はエンジニアを
守ることになる。グノーシア側からするとエンジニアを消したくても、この配役に
阻まれるので、早めに消しておきたい。どんな配役でも守れるので、
守った相手がグノーシアだったパターンも・・・
7 AC主義者
正式名称「アンチ・コズミック主義者」。要するにグノーシア信者で、グノーシアを
勝たせようとする配役。怪獣映画などに必ずいるその怪獣を崇めるカルト集団みたい
なもの。グノーシアと同じく嘘をつけるので、エンジニアやドクターを名乗り議論を
引っ掻き回すことが出来る。
8 バグ
生き残るとその宇宙を破滅させるという、グノーシアも真っ青な配役。嘘をつくこと
が出来、またグノーシアはバグを消すことが出来ない。生存時の結果がやばいので、
グノーシア探しと並行してバグ探しも行うべきだろう。バグを封じるにはグノーシア
と同じようにコールドスリープさせるか、エンジニアで調べる必要がある。
移動パートが終わった後、二人の人物が消えたときはエンジニアがバグを調べた
ということである。ここからエンジニアが複数いた場合、誰が真エンジニアか分かる
ため、グノーシア探しがやりやすくなる。
とてもざっくりとした説明にはなったが、以上がこのゲームの概要である。詳しくは公式ページやグノーシアについて書いているほかの方の記事を見て頂きたい。
個性的なキャラクター
このゲームの特色として個性的なキャラクターが挙げられるだろう。プレイヤーを除けば、総勢14名の登場人物がこのグノーシアを盛り上げている。このキャラクターたちにはそれぞれAIが搭載されているらしく、性格や自分の役割に応じて議論を進めている。
すべてのキャラクターには上のように特記事項というキャラクターごとのパックボーンを持っており、これを開放することで物語が進む。端的に言えば、この特記事項を全部開放することがこのゲーム最大の目的となる。
いろいろなイベントをこなすことで解放していくわけだが、解放条件が複雑なものも多い。だがすべての特記事項を見たとき、あなたはグノーシアの物語の全貌を見ることが出来るだろう。
ここからキャラクター別感想を書いていきます。ネタバレがあるので、プレイする予定がある方は見ないことを強くお勧めします。(紹介順に特に意味はありません)
ジナ
儚げヒロイン
主人公の性別を男性にすると恋愛イベントが発生するキャラクターの一人。
神秘的なイベントが多い印象。
グノーシア時はいい笑顔を見せてくれる。
主人公を消しに来た時のイベントはあえて何も言わないを選びました。
地味に地球出身である。(地球生まれが確定しているのはもう一人いる。)
アラコシア星系はフラグ
ラキオ
凍結系インテリ
すぐに疑われて、すぐにコールドスリープされる。
コールドスリープマニアなんだろうか。また凍結が決定した後のセリフが長い。
男でも女でもない汎性別。とあるイベントによると体は男のままらしい。
故郷で汎性別になる処置を受けるつもりとか何とか…
こちらもグノーシア時にはいい笑顔をしている。
ラキオがいないとグノーシアの物語は始まらない、そういう意味では重要人物。
シピ
吾輩はシピである、まだネコではない
今作屈指の奇人。
愛猫家の域を超えてしまっている。
人間時とグノーシア時の精神状態にさほど乖離がない(ように見える)人物。
全体的に卒がないので、議論で思わぬ伏兵になることもあるかも。
いや、これ猫をマフラーみたいに首に乗っけてるだけだと思うじゃん…
コメット
直観全振りな船長志望の少女
直観に非常に長けており、演技力が低い序盤のステータスでは
ほぼ確実にこちらを嘘を看破してくる。
彼女もなぜかラキオのように疑われやすく、凍結されやすい。
本人もそれを自覚してるのか、人間・グノーシア側を問わず最後まで生存すると
驚いたりする。
ボディペイントが目立って分かりにくいが、実は露出度が全キャラ中最も高い。
(え、しげみちはって?しげみちは別の意味で露出度全くないんだよなぁ)
このペイントには秘密があり、イベントを進めると明らかになる。
ジョナス
廃人
頼れそうに見えて、当てにならないダメ人間。
地球出身で、物語の舞台である宇宙船の船長である。
軽く千歳を超えているようで、時々ジェネレーションギャップを発動する。
(どうやってそんな驚異的な寿命を手に入れたのかは分からない)
彼が引き金になるイベントは多く、
特にLeVi (宇宙船のナビゲーションシステム)とのイベントは自業自得の一言。
ククルシカ
かわいさに特化したキャラで、プレイヤーにかわいさの重要性をいやというほど
教えてくれる。
特にステータスが弱い序盤で彼女がグノーシアだと、凍結に追い込むのが結構難しい。
ある程度ステータスやスキルが揃うとそうでもないが・・・
物語が進むにつれ彼女の不可解な面が増えていくが、トゥルーエンドである程度合点が
いくようになる。トゥルーエンドのキーパーソンの一人。
沙明
生存第一チャラ男
セツが唯一苦手とする人物。
時折セツによってヤラレチャッタの状態にされてしまう。(グノーシア側だった場合では
問答無用で一人減るので、きついイベントだったりする。)
主人公の性別を女性にすると恋愛イベントが発生するキャラクターの一人。
グノーシア側で起きるイベントが印象的な人物。
レムナン
お可哀そうな人
根暗で自分に自信がない人物。これは人間でもグノーシアでも変わらない。
壮絶な過去を経験しているので、こうなるのも止む無しか。
主人公の性別を女性にすると恋愛イベントが発生するキャラクターの一人。
ノーマルエンドの後日談がなかなかファンキーだったりする。
ステラ
天使のような秘書
主人公の性別を男性にすると恋愛イベントが発生するキャラクターの一人。
包容力がある、ジョナスの秘書。
グノーシア時が一番生き生きしている人物。
まるでクスリを決めたかのような顔芸をグノーシア時に見せてくれる。
特殊な出自を持っており、凍結されたり、グノーシアに排除されたとしても、
宇宙船から彼女が消えることはない。
夕里子
ラスボス系女子
いきなり現れたかと思えば、主人公から主人公補正を消去し、凍結ゲーの扉を開いた。
カリスマが高く、味方にすると心強いが敵に回すと非常に危険。
反撃と反論封じがとにかく恐ろしい。
バグの状態で彼女に話しかけると能力値の振り直しができる。(クリア後だと同じ要領でCGも見返しさせてくれる)
グノーシアやグノースの正体、ループのことを知っているなど、
物語最大のキーパーソンの一人である。
しげみち
フランクな自称宇宙人
一目見ただけで強烈なインパクトを残し、イベントが起こるたびにツッコミどころが
わんさか出てくる、そんな人物。
風貌が良くも悪くも怪しさ満点だからか、議論の初っ端から疑われコールドスリープ
行きになることも
面白いギャグイベントが多いコメディリリーフ的存在だが、
優しさを感じさせるイベントも多い。
詳細は伏せるが、彼が登場するあるイベントは後に大きな意味を持つ。
オトメ
かわいい、優しい、賢い、オトメちゃん
今作のマスコット(異論は認めない)。
愛くるしさと賢さを併せ持つ、ハイパーイルカ。
上の写真は協力を断ったときのものだが、優しさがにじみ出ている。
語彙力を失わせるくらいにかわいいので、皆もオトメちゃんを愛でよう。
本作にはたくさん悲しさや切なさを感じるイベントが多いが、
彼女がバグのときに見ることが出来るイベントは不覚にも泣いてしまった。
SQ
アイコンヒロイン
持ち前の明るさとかわいさで周囲を盛り上げるムードメーカー的存在
グノーシア時の顔芸が一番すごい。
嘘をつくのが好きだったり、油断してると陥れてきたりとロクでもない所もあるが、
あるイベントでかわいさが天元突破してくる。さすがアイコンヒロインは格が違った。
彼女に嘘をつかず、二人っきりになろう。
トゥルーエンドのキーパーソンの一人で、ある意味トゥルーエンドのヒロイン。
セツ
魂でつながった相棒
セツに対しては語りたいことが山ほどあるが、根幹のネタバレに直結するので出来ないというジレンマ。
女性に見えるが性別は汎、つまり恋愛イベントはない。
ヒロインというよりループを共にする無二の相棒。
境遇が同じこと、主人公にとって頼りになること、物語が進むにつれて起きる印象的なイベントなどが相まって、ループを繰り返すごとに思い入れがどんどん増してくる。
そのため、あるループで主人公に向ける態度に、とても動揺してしまった。
ノーマルエンドでは主人公の恩人であり、トゥルーエンドでは主人公よりも主人公している。グノーシアはセツの物語でもあったのだ。
最後に
人狼未経験の私でも、とても楽しかったと思えるほど丁寧な造りのゲームだった。
個性的なキャラクターたちが織り成す数々のイベントやストーリーは、
きっとあなたをこのグノーシアの世界に引き込んでくれるはずだ。
Nintendo SwitchかPS Vitaを持っているならば、確実にお勧めできるゲームなので、
Stay Homeのお供にいかがだろうか。
グノーシアはNintendo SwitchとPS Vitaで発売中